KDDI(9433)は買い?25期連続増配・配当56倍の通信株を投資歴15年が徹底分析【星導の賢者】
25年間、一度も配当を減らさず増やし続けている会社——と聞いて、どの企業を思い浮かべますか?
その答えのひとつがKDDI(9433)です。連続増配25期(予想含む)は、マロサの保有73銘柄の中でも最長クラス。この記事では、投資歴15年のマロサが、実際に保有しているKDDIを5つの分析基準で徹底チェックします。今年話題になった不正問題への、マロサ自身の判断もお話しします。
💡 この記事の結論
KDDIは、星々の連なりのように人々と暮らしを導く「星導の賢者」。
25期連続増配(配当は25年で56倍)、営業利益率は13年連続15%超、ROEは13年連続8%超——数字はパーティ最強クラスです。
ただし株価は7月に急騰し、利回りは2.75%まで低下。良い会社であることと、今が買い場であることは別問題。マロサの買い増しラインもあわせて公開します。
💬 マロナ
「こんにちは、マロナです。今回は『星導の賢者』の装いでご案内します。NTTの回でお話しした通り、同じ賢者にも流派があります。KDDIは星と衛星をあやつり、人々の暮らしを導く賢者なんですよ。」

💡 この記事でわかること
・KDDIの事業内容と「挑戦者の系譜」という出自
・5つの分析基準での評価(自己資本比率の低下理由も解説)
・Pontaポイント等が選べる株主優待の内容
・不正問題に対するマロサの判断(売らなかった理由)
・マロサの取得単価2,335円と買い増しライン
KDDIとは|独占に挑んだ「挑戦者の系譜」
KDDI(9433)は、auブランドの携帯電話を中心に、光回線、金融(auじぶん銀行・auカブコム証券)、電気(auでんき)、そしてローソンまで、暮らしのあらゆる場面に広がる経済圏を持つ総合通信企業です。2026年7月30日の終値は3,051円、時価総額は12兆2,267億円。権利確定は3月末・9月末です。
この会社の出自は、NTTとは対照的です。前身のひとつ第二電電(DDI)は、1984年、京セラ創業者の稲盛和夫氏が電電公社(現NTT)の独占に挑むために設立した会社でした。巨人に挑んだ挑戦者が、40年かけて時価総額12兆円の企業に育った——KDDIは「挑戦者の系譜」を持つ通信会社なのです。
企業理念には今も、稲盛氏の思想が受け継がれています。
「KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します」
「期待を超える」は飾りではありません。KDDIは通信品質ランキングで4年連続1位を維持し、衛星通信Starlinkとの提携で「空が見えればつながる」通信網の構築も進めています。

💬 マロナ
「KDDIの前身のKDDは、通信衛星による国際通信を担っていた会社。つまり星を使って人と人をつないできた歴史があるんです。『星導の賢者』の名は、この系譜から付けました。」
5つの分析基準でチェック

いつもの5つの基準で確認していきます。
💬 マロナ
「星図があるから、船は迷わず進めます。財務の数字も同じです。自己資本比率、営業利益率、ROE、配当——どの星をどう読むかという基準を持つことが、投資家にとっての星図なんですよ。」
マロサの5つの基準の考え方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 【初心者向け】優待株・高配当株の選び方|マロサ流5つの分析基準をKDDIで実例解説
| 分析基準 | 目安 | KDDI | 判定 |
|---|---|---|---|
| 自己資本比率 | 40%以上 | 26.6% | △(金融事業の拡大) |
| 営業利益率 | 7〜8%以上 | 18.10%・13年連続15%超 | ◎ |
| ROE | 8%以上 | 15.06%・13年連続8%超 | ◎ |
| 配当 | 安定・増配傾向 | 25期連続増配(予想含む) | ◎ |
| 総合利回り | 3.5%以上 | 2.75%+優待(200株以上) | △ |
※株価3,051円(2026年7月30日終値)、年間配当84円(2027年3月期予想)で算出。
自己資本比率26.6%|数字の裏側を「星図」で読む
自己資本比率は2026年3月期で26.6%(前期30.1%)。マロサの基準40%には届かず、一般に望ましいとされる30%も下回りました。
ただし、この低下には明確な理由があります。資産が16.7兆円→19.1兆円(+2.3兆円)に増えた一方、負債も11.2兆円→13.5兆円(+2.3兆円)増加し、自己資本は5.03兆円→5.08兆円とほぼ横ばいだったためです。
負債が増えた主因は、auじぶん銀行など金融事業の預金・借入金の拡大です。銀行業は預金を集めること自体が事業なので、成長するほど負債が膨らみます。三菱UFJの記事でお話しした「銀行のものさしは一般企業と違う」という話と同じ構造で、NTTが銀行連結で自己資本比率を下げたのともよく似ています。
実際、会社側は金融事業を除いたD/Eレシオは0.69倍と説明しており、通信本業の財務は健全です。数字だけ見て逃げるのではなく、なぜその数字なのかを読む——これが星図の読み方です。
営業利益率18.10%|13年間、15%を下回らない

営業利益率は13年間ずっと15%以上。基準の7〜8%の2倍以上を維持し続けています。不正問題などが響いた2024年に16.00%まで下がりましたが、2026年は18.10%へ回復。谷が浅く、回復が早い——これがKDDIの収益力です。
ROE15.06%|こちらも13年連続で基準超え

ROEは13年連続で基準の8%以上、しかも直近2026年は15.06%と、過去最高だった2017年(15.38%)に迫る水準まで回復しています。2024年の落ち込み(12.14%)から見事に立て直しており、問題があっても稼ぐ力は衰えていないことをグラフが物語っています。
配当|25期連続増配、25年で56倍

KDDI最大の魅力がここです。2027年3月期予想の84円が実現すれば、25期連続増配。連続増配が始まる前の2002年3月期の配当は株式分割調整後で約1.5円(厳密には1.49166…円)。そこから84円まで、25年で約56倍に増える計算です。
グラフの13年間だけ見ても21.67円→84円と約4倍。積水ハウス(15期連続)を上回る、マロサのパーティで最長の増配記録です。
しかも中期経営戦略で「事業成長に沿った安定増配」「連結配当性向は調整後ベースで40%超を維持」と明記しており(実際の配当性向は43%台)、業績も2026年3月期は増収増益、2027年3月期も増収増益予想と、増配を支える利益がきちんと伸びています。
総合利回り2.75%|良い会社と良い株価は別問題
現在の配当利回りは2.75%。基準の3.5%には届きません。株価が7月だけで2,600円台から3,000円台へ急騰したためで、会社が評価されるほど、利回りは下がる——高配当株投資のジレンマです。ここをどう考えるかは、買い増しラインのセクションでお話しします。
株主優待|Ponta・ローソン・寄付から選べる
KDDIの株主優待は、200株以上の長期保有が条件です。
| 継続保有期間 | 優待内容(200株以上) |
|---|---|
| 1年以上 | 2,000円相当 |
| 5年以上 | 3,000円相当 |
選べる特典(1点)
・Pontaポイント
・ローソン/成城石井 商品詰合せセット
・寄付(キボウのカケハシ)
ポイントか、商品か、それとも社会貢献か——使い道を自分で選べる優待は珍しく、選択肢を示して導くという「星導」の名にふさわしい設計です。
注意点は、200株に約61万円が必要なこと。優待利回りは5年保有でも約0.49%なので、優待はあくまで長期保有のおまけ。主役は25期連続増配の配当です。
株主優待の権利確定の仕組みは、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 株主優待はいつまでに買えばもらえる?権利確定日・権利付き最終日をマロナがやさしく解説
不正問題への、マロサの判断
2026年、KDDIでは不正問題が明らかになり、株価も大きく揺れました。マロサも当時、「売るか、持ち続けるか」を真剣に考え、「次の決算まで様子を見る」と判断しました。
そして、以下の3点を確認しました。
- 組織的な関与ではないこと——企業体質の問題ではなく、個別の事案だった
- 再発防止策が発表されたこと——経営陣がガバナンス改革を明言し、対応する姿勢を示した
- 配当方針が維持されたこと——高配当株投資家として最も重要な、減配リスクの回避が確認できた
この3点が確認できたため、マロサは継続保有を選びました。実際、その後の決算は増収増益、株価も回復しています。
数字が良いだけでは買わない。悪いニュースが出たときに、何を確認して判断するかの基準を持っておく——これも星図を読むということです。
マロサの保有状況と買い増し戦略
マロサのKDDI取得単価は2,335円。現在の株価3,051円に対して、含み益は約+31%です。 取得単価ベースの利回りは3.60%まで育っています。
NTTの記事では含み損を公開しましたが、KDDIは逆です。ただし、だからこそ言えることがあります——含み益が出ているときほど、買い増しは慎重に。今の株価で買い増せば、取得単価も利回りも悪化するからです。
マロサの買い増しライン
| 株価 | 利回り(配当84円) | マロサの判断 |
|---|---|---|
| 3,051円(現在) | 2.75% | 様子見(7月に急騰したばかり) |
| 2,800円以下 | 3.0%以上 | 買い増し検討開始 |
| 2,400円以下 | 3.5%以上 | 理想の買い場(総合利回り基準クリア) |
7月のKDDIは、自己株取得の進捗開示なども重なり、1か月で15%以上上昇しました。注目が集まっている今は、静かに見守る局面です。買い増し検討は2,800円以下、理想は利回り3.5%に到達する2,400円以下——先に水準を決めておけば、上がる株価に焦らされることはありません。
💬 マロナ
「星は毎晩位置を変えますが、星図があれば迷いません。株価がどれだけ騒がしく動いても、自分の基準という星図があれば、買う日も待つ日も、落ち着いて決められますよ。」
※あくまでマロサ個人の考え方であり、購入を推奨するものではありません。なお、次回の決算発表は2026年8月7日に予定されています。
なぜ「星導の賢者」なのか

NTTが日本中に知の網を張る「大賢者」なら、KDDIは人々の暮らしを星のように導く「星導の賢者」です。
見てください。スマホを手にした人々が、光の環でつながっている——au経済圏の姿そのものです。通信、Ponta、銀行、証券、電気、そしてローソン。KDDIは暮らしの複数の場面に光を届け、点と点を星座のように結んでいます。
そして「星導」にはもう一つの意味があります。前身のKDDが通信衛星で国際通信を担ってきた歴史、そして現在のStarlink提携。文字通り、星(衛星)を使って人をつないできた会社なのです。
25期連続増配という実績も、行き当たりばったりでは達成できません。配当性向40%超という自らの基準を掲げ、そのとおりに歩み続ける——星の運行のような規則正しさこそ、この賢者の本質です。
マロサ×マロナ対談|挑戦者の系譜と「物心両面の幸福」
マロサ
「KDDIとNTT、同じ通信でも記事を書いてみると全然違う会社ですね。」
マロナ

「出自が対照的なんです。NTTは電電公社から続く通信の始祖。KDDIの前身の第二電電は、その独占に挑むために稲盛和夫氏が立ち上げた挑戦者です。巨人と挑戦者、どちらも40年後にはパーティに欠かせない賢者になった——面白い歴史だと思いませんか。」
マロサ
「KDDIの企業理念に『全従業員の物心両面の幸福を追求する』とあるのが印象的でした。私が『人生とは投資の連続である』と考えているのと、どこか通じるものを感じます。」
マロナ
「その理念は稲盛氏の思想が源流です。お金という物質的な豊かさと、心の豊かさの両方を追い求める——投資も同じですね。資産が増えることだけが目的ではなく、それによって人生の選択肢が広がることに意味があるんです。」
マロサ
「25期連続増配という記録も、その理念と関係があるのでしょうか。」
マロナ

「私はあると思っています。株主への還元を『事業成長に沿った安定増配』と方針に掲げ、25年間守り続ける。従業員、お客さま、株主——関わる人すべての幸福を設計に組み込んでいるからこそ続く記録です。約1.5円だった配当が84円、56倍ですよ。」
マロサ
「一方で、今年は不正問題もありました。正直、ショックでした。」
マロナ

「どんな企業にも過ちは起こり得ます。大切なのはその後です。組織的関与の有無、再発防止策、そして株主への約束(配当方針)を守るか——マロサさんはこの3点を確認して継続保有を決めましたね。感情で売らず、基準で判断する。それができれば、悪いニュースは投資家として成長する機会にもなります。」
マロサ
「通信株はNTT・KDDIと2社目ですが、両方持つ意味はあるのでしょうか?」
マロナ

「商社の勇者を3人揃えたときにお話しした『同業種の分散』ですね。同じ通信でも、NTTはデータセンターと法人システム、KDDIは金融・経済圏と、成長の柱が違います。個性の違う賢者を2人パーティに入れる——それも立派な戦略ですよ。」
星導の賢者の弱点|星を曇らせるものたち

25期連続増配の優等生にも、リスクはあります。
- 不正問題の再発リスク:再発防止策の実効性はこれから問われます。8月7日の決算をはじめ、今後の開示を継続的に確認する必要があります
- 株価の過熱:7月に1か月で15%超の急騰。期待が先行した分、決算が期待に届かなければ反動も大きくなります
- 政府による通信料金の値下げ圧力:業界全体の宿命です
- 金融事業拡大に伴う財務変化:自己資本比率26.6%への低下は説明可能とはいえ、金融事業には金利変動や与信のリスクが伴います
- 通信市場の成熟:国内の携帯契約は飽和しており、成長は経済圏・法人・衛星など新領域頼みです
💬 マロナ
「どんなに明るい星も、雲がかかれば見えなくなります。大切なのは、雲が晴れたとき星がまだ輝いているか——企業の本質的な稼ぐ力を見続けることです。」
📌 マロサの実体験
不正問題が報じられたとき、正直に言えば売却も頭をよぎりました。しかし「次の決算まで様子を見る」と決め、確認すべき3点を書き出したことで、感情に流されずに済みました。結果として業績は増収増益、配当方針も維持され、株価は取得単価の+31%まで回復。慌てて売っていたら、この結果は受け取れませんでした。 悪いニュースのときこそ、基準を持っているかどうかが試される——15年やってきて、いちばん実感していることです。
まとめ|星の運行のように、規則正しく増配する賢者
- KDDIは25期連続増配(25年で配当56倍)という、マロサのパーティ最長の増配記録を持つ星導の賢者
- 営業利益率13年連続15%超、ROE13年連続8%超。2024年の谷からも力強く回復し、2026年はROE15.06%とほぼ最高水準
- 自己資本比率26.6%への低下は金融事業の成長による構造的なもの(金融除くD/Eレシオ0.69倍)
- 不正問題には「組織的関与なし・再発防止策・配当方針維持」の3点を確認して継続保有を判断
- マロサの取得単価は2,335円(含み益約+31%・取得単価利回り3.60%)。ただし現在の利回り2.75%では買い増しせず、検討は2,800円以下、理想は2,400円以下
- 200株以上の長期保有でPonta・ローソン商品・寄付から選べる優待も

💬 マロナ
「星は焦りません。毎晩、決められた道を規則正しく巡りながら、旅人を導き続けます。投資も同じ。自分の星図を持ち、星の運行のように淡々と続けること——それが資産を育てる一番の近道ですよ。」
マロサのパーティ全体でKDDIがどんな役割を担っているかは、こちらの記事でご覧いただけます。
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