金融投資

東京海上(8766)1株→15株の分割と優待新設|7株買っても優待は2030年までもらえません【守護の僧侶】

marosa

2026年8月25日、東京海上ホールディングス(8766)が1株を15株に分割し、あわせて株主優待を新設すると発表しました。

最低投資額は約74万円から約5万円へ。長らく「良い会社だけど手が届かない」と言われてきた銘柄が、一気に身近になります。

マロサはこれまで単元未満株でコツコツ買い集めてきました。10月1日の分割で、自動的に100株以上の株主になります。

ただし、この発表には多くの人が見落とす条件があります。「分割前に7株買っておけばすぐ優待がもらえる」と考えている方は、この記事を読んでから判断してください。

今回マロナが担うジョブは「守護の僧侶」。攻撃はせず、傷を癒し、災いを防ぐ職です。

マロナ「こんにちは、マロナです。この銘柄は前線で戦いません。何も起きない日のために存在しています。それが保険という仕事です」

結論|優待の「3年」を読み違えないでください

  • 株価は7,693円(2026年8月28日終値)、年間配当予想は245円、配当利回りは3.19%
  • 5基準の判定は◎3つ・✕2つ。収益性と還元は極めて優秀、利回りと自己資本比率が基準未達です
  • 優待は100株以上を3年以上継続保有が条件。今から買う人が初めて受け取れるのは2030年3月です
  • マロサの取得単価は5,408円。含み益率は+42.3%、取得単価ベースの利回りは4.53%
  • 買い増しラインは7,000円以下。配当245円で利回り3.50%となり、当ブログの基準を満たす水準です

今回の発表内容|4つが同時に決まりました

2026年8月25日の発表は、内容が4つに分かれています。順に整理します。

1. 株式分割(1株→15株)

項目内容
分割比率1株につき15株
基準日2026年9月30日(水)
効力発生日2026年10月1日(木)
発行済株式総数19億3,400万株 → 290億1,000万株
発行可能株式総数80億株 → 1,000億株(定款変更)

会社は分割の目的を、投資単位当たりの金額を引き下げることでより投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大を図ることと説明しています。

2. 株主優待の新設

東京海上にはこれまで株主優待制度がありませんでした。今回が初めての導入です。

継続保有の状況優待内容
100株以上を3年以上継続保有初回として7,500円相当の電子マネー等
初回の翌年以降も100株以上を継続保有毎年2,500円相当の電子マネー等

初回の基準日は2027年3月31日。以後は毎年3月31日が基準日になります。

参考までに、条件を満たした後の優待利回りを試算します。8月28日終値を分割後に換算すると1株約512.9円、100株で約51,287円です。毎年2,500円なら優待利回りは約4.87%、配当3.19%と合わせて約8.06%。初回7,500円が届く年だけを見れば、単年の総合利回りは約17.8%になります。

ただしこれは3年以上保有した後の、現在の株価を前提とした参考値です。将来の株価変動や制度変更は考慮していません。だからこそ当ブログの5基準では、今回この優待を総合利回りに算入していません。

3. 配当予想の修正

区分第2四半期末期末合計
従来予想(5月20日発表)122.5円122.5円245円
今回の予想122.5円8.17円
(分割前換算)122.50円(122.55円)245.05円
前期実績105.5円112.5円218円

期末配当が122.5円から8.17円へ「減った」ように見えますが、これは分割によって1株あたりの金額が15分の1になっただけです。会社も「株式分割による株数増加を考慮した場合、実質的に同額」と説明しています。減配ではありません。

4. 自己株式取得の変更

取得株数の上限が1億3,000万株から19億5,000万株へ変更されました。こちらも分割に伴う調整で、取得価額の総額2,000億円は変わっていません。取得期間は2026年5月21日から12月23日までです。

【重要】優待の「3年以上」を正しく読む

ここがこの記事でいちばん伝えたい部分です。

IR資料には、継続保有期間の判定方法がこう書かれています。3年以上継続保有とは、毎年3月31日および9月30日時点の株主名簿に、100株以上を保有する株主として、同一株主番号で連続して7回以上記載または記録された場合をいう、と。

7回とは、2024年3月から2027年3月までの半期ごとの記録です。

判定される基準日回数
2024年3月31日1回目
2024年9月30日2回目
2025年3月31日3回目
2025年9月30日4回目
2026年3月31日5回目
2026年9月30日6回目
2027年3月31日7回目(初回基準日)

つまり2026年9月30日の時点で、すでに100株以上を保有している必要があります

「分割前に7株買えば、すぐ優待がもらえる」は誤りです

今の株価で7株買えば、10月の分割後には105株になります。100株以上の条件を満たす最小の買い方です。実際、7株なら約54,000円で買えます。

株数の条件は満たせます。持ち続ければ、将来的には優待の対象になります。誤っているのは「すぐもらえる」「2027年3月にもらえる」という理解です。優待の条件は3年以上の継続保有なので、今から買って100株以上として名簿に記録され始めるのは2027年3月31日から。7回連続に達するのは2030年3月31日です。

IR資料の別紙にも、保有を開始した時期ごとのパターンが図示されています。

100株以上の保有を開始した時期初回7,500円を受け取れる基準日
2024年3月以前2027年3月31日
2024年4月〜2025年3月2028年3月31日
2025年4月〜2026年3月2029年3月31日
2026年4月以降2030年3月31日

売却などによって100株以上という保有条件を満たさなくなったり、株主番号の連続性が失われたりした場合、それ以前の保有期間は通算されません。各基準日の時点で条件を満たし続けることが必要です。

マロナ「優待の新設は嬉しいニュースです。でも条件を読まずに買うと、期待していた年に何も届きません。数字より先に、条件を読みたいですね」

マロサ自身も2030年まで待ちます

正直に書きます。マロサもこの条件に引っかかっています。

これまで単元未満株で買い続けてきたので、100株以上になるのは分割の効力発生日である10月1日です。9月30日の基準日時点では、まだ単元未満です。

優待の条件は「100株以上を保有する株主として」名簿に記載されることなので、単元未満で保有していた期間はカウントされません。マロサが初回7,500円を受け取れるのは、2030年3月31日を基準日とする回になります。

少しがっかりしましたが、これは正確に知っておくべき情報です。同じように単元未満株で買い集めてきた方は、たくさんいるはずですから。

優待制度の詳細は「決定次第、改めてお知らせします」とされています。購入前に必ず同社のIR情報で最新の条件をご確認ください。

東京海上はどんな会社か|時価総額14兆8,783億円

東京海上ホールディングスは、東京海上日動火災保険を中核とする国内最大手の保険グループです。国内損保・国内生保に加え、海外保険事業を広く展開しています。

項目データ(2026年8月28日時点)
証券コード8766(東証プライム)
業種保険業
株価(終値)7,693円
時価総額約14兆8,783億円
権利確定月3月・9月(優待基準日は3月末)
年間配当(2026年度予想)245円(分割前換算245.05円)
配当利回り3.19%

ホンダの約7兆9,463億円、ブリヂストンの約5兆5,082億円、ENEOSの約3兆6,528億円と比べると、今回比較した4社では最大の規模です。

2026年3月期の実績は、経常収益8兆8,722億円(前期比5.1%増)、経常利益1兆3,486億円(同7.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9,804億円(同7.1%減)でした。

減益に見えますが、中身は違います。政策株式の売却益を除いた当期純利益は8.5%増で、実質的には成長しています。海外保険事業の利益が18.8%増と牽引しました。また自然災害による正味発生保険金は国内で51.8%減少し、グループ全体でも34.6%減っています。

当ブログ5つの基準で判定|◎3つ・✕2つ

基準数値判定
自己資本比率 40%以上17.0%(日本基準・2026年3月期)
営業利益率 7〜8%以上15.20%(経常利益率)
ROE 8%以上18.7%(会計ROE)
配当が安定・増配傾向31.7円→218円。毎年増配
総合利回り 3.5%以上3.19%(配当のみ)✕ ※

※当ブログでは、3年以上の継続保有条件をまだ満たしていないため、今回の判定では優待を総合利回りに算入していません。条件を満たした後の参考値は後述します。

自己資本比率が低いのは、保険業の構造です

保険会社の自己資本比率は、製造業と同じ物差しでは測れません。

理由は責任準備金です。保険会社は将来の保険金支払いに備えて巨額の準備金を積んでおり、これは会計上「負債」に計上されます。契約者から預かったお金なので当然なのですが、その結果として総資産が膨らみ、自己資本比率は構造的に低く出ます

東京海上の連結総資産は31兆9,619億円。保険会社は保険契約に伴う負債を多く計上するため、一般の事業会社より自己資本比率が低く出やすい構造があります。そのため保険会社の健全性は、自己資本比率だけでなくESR(経済価値ベースのソルベンシー比率)など業界特有の指標もあわせて確認する必要があります

当ブログの「自己資本比率40%以上」は製造業を念頭に置いた基準なので、保険会社にそのまま当てはめると必ず✕になります。基準を持つことは大切ですが、業種による意味の違いも知っておきたいところです。

利回り3.19%は、株価が上がったからです

もう一つの✕は総合利回りです。配当245円に対して株価7,693円で3.19%。基準の3.5%にわずかに届きません。

ただしこれは減配したからではありません。配当は218円から245円へ増えています。それ以上に株価が上がった結果です。ブリヂストンの記事でも同じことを書きました。良い会社は買われて、利回りが下がります。

【学び1】同じ予想が「56%増」にも「15%減」にも見えます

ここからは、この銘柄を通して学べる決算の読み方を3つ紹介します。

東京海上は2026年度(2027年3月期)から国際会計基準(IFRS)に移行しました。これによって面白いことが起きています。

2027年3月期の当期利益予想は8,300億円です。この数字を、2つの基準の前期実績と比べてみます。

比較の基準前期実績今期予想増減率
日本基準9,804億円8,300億円-15.3%
IFRS5,312億円8,300億円+56.2%

同じ会社の、同じ予想です。 それが「15%の減益」にも「56%の増益」にも見えます。正式な前年比はIFRS同士で比べた+56.2%で、-15.3%は旧日本基準の前期実績と比べた参考値です。どちらの数字を持ってくるかで、記事の見出しはまったく違うものになります。

ニュースで増減率だけを見て判断すると、こういう場面で読み違えます。会計基準が変わった年は、前期比の数字を鵜呑みにしない。 これはどの銘柄でも使える読み方です。

マロナ「増減率は、比べる相手を変えると姿を変えます。何と比べているのかを確かめる癖をつけたいですね」

【学び2】保険会社のROEは2種類あります

グラフに使っているのは、東京海上が経営指標として開示する修正ROEです。当ブログの5基準では他の銘柄と同じ物差しで比べるため会計ROEを使っていますが、会社が自ら目標にしている数字はこちらです。

なぜ2つあるのか。答えは、この表を見るとはっきりします。

年度会計ROE修正ROE
2014年度6.9%7.6%
2020年度4.6%9.7%
2021年度10.9%14.4%
2023年度15.9%15.5%
2024年度20.6%22.7%
2025年度18.7%22.0%

2020年度は、会計ROEが4.6%、修正ROEが9.7%。倍以上の差があります。他の年は1ポイント前後の差なので、この年だけ突出しています。

保険会社の会計には、異常危険準備金のように利益を平準化するための特有の項目があります。災害が多い年や少ない年で会計上の利益が大きく振れるため、会社は実態に近い姿を示す指標として修正ROEを使っています。

会計ROEだけを見て「2020年度は業績が半分になった」と読むと、実態を見誤ります。業種特有の指標があるときは、なぜそれが必要なのかまで見ておきたいところです。

【学び3】経常利益率15.20%|当ブログ基準を大幅に上回る

2014年度の8.28%から2025年度の15.20%へ。2020年度の4.88%を底に、そこから3倍以上に回復しています。

ここで注意したいのは、保険業には製造業の「営業利益」に当たる概念がないことです。グラフは経常利益を経常収益で割った経常利益率を使っています。当ブログの「営業利益率7〜8%以上」という基準に当てはめる際も、この違いを踏まえて読む必要があります。

それでも15.20%という水準は、8兆8,722億円という収益規模の上で出している数字です。当ブログの基準を大幅に上回っています。

配当は12年で約6.9倍

年度(決算期)1株配当(分割後換算)実績額
2014年度(2015年3月期)31.7円95円
2017年度(2018年3月期)53.3円160円
2020年度(2021年3月期)66.7円200円
2021年度(2022年3月期)85.0円255円
2023年度(2024年3月期)123.0円
2024年度(2025年3月期)172.0円
2025年度(2026年3月期)218.0円

【株式分割についての注記】上記のグラフと表の配当額は、2022年10月1日の株式分割(1株→3株)に合わせて全期間を分割後ベースに換算しています。2026年10月1日に効力が発生する1株→15株の分割は反映していません。 年間245.05円を15分割後ベースに機械的に換算すると約16.34円相当になります。ただし2027年3月期は中間配当が分割前に支払われるため、実際の分割後の期末配当予想は8.17円です。

31.7円から218円へ、12年で約6.9倍。しかも普通配当ベースでは、この間毎年増配しています。2026年度は245.05円相当の予想なので、さらに増える見込みです。

ENEOSは10年で2倍、ブリヂストンは12年で2.5倍、ホンダは12年で2.6倍でした。東京海上の増配ペースは、当ブログで扱った銘柄の中で群を抜いています。

マロサの保有状況|単元未満株から、100株株主へ

項目数値
取得単価5,408円
現在株価(2026年8月28日終値)7,693円
含み益率+42.3%
取得単価ベースの配当利回り4.53%(245円 ÷ 5,408円)
現在の株価で買った場合の利回り3.19%(245円 ÷ 7,693円)
保有状況単元未満株。10月1日の分割で100株以上に

この銘柄は、マロサにとって時間をかけて積み上げてきた一つです。1株ずつ買える単元未満株の仕組みを使って、少しずつ買い足してきました。

74万円を一度に用意するのは簡単ではありません。でも1株なら7,000円台です。分散を大事にしたい人にとって、単元未満株は現実的な選択肢でした。

そして今回の分割で、その積み重ねが自動的に100株以上になります。取得単価5,408円に対して配当245円ですから、取得利回りは4.53%。今から買う人の3.19%と比べると、時間をかけた分だけ条件が良くなっています。正直分散をしてきて良かったと感じた瞬間でした。

買い増しライン|7,000円以下

株価水準現在からの下落率配当利回り(245円)マロサの判断
7,693円(現在)3.19%保有継続
7,000円-9.0%3.50%買い増しを検討
5,408円(取得単価)-29.7%4.53%

7,000円というラインには根拠があります。245円 ÷ 7,000円 = 3.50%。当ブログの「総合利回り3.5%以上」をちょうど満たす株価です。

ENEOSの970円、ブリヂストンの3,571円と同じ考え方です。買い増しラインは、感覚ではなく基準から逆算して決めています。

なお分割後は1株あたり約467円が同じ水準になります(7,000円 ÷ 15)。

なぜ「守護の僧侶」なのか|攻撃しない職

当ブログでは銘柄ごとにRPGのジョブを当てています。ENEOSは炎脈の守護者、ブリヂストンは機動装具師、ホンダは竜騎士、学究社は導学の学者。東京海上に与えたのは「守護の僧侶」です。

1つめ、攻撃しないから。 僧侶は前線で剣を振るいません。傷を癒し、状態異常を防ぐ職です。保険は事故が起きた後に人を経済的に元に戻す仕事であり、この役割がそのまま重なります。

2つめ、何も起きない日のために存在するから。 保険料を払っても、多くの人は何も起きません。それでも払い続けるのは、万が一のためです。使われないことがいちばん良い商品という、珍しい存在です。

3つめ、災いを引き受けるから。 2025年度は自然災害による正味発生保険金が国内で51.8%減りました。逆に言えば、災害が多い年には利益が削られるということです。世の中の不運を、代わりに引き受けるのが保険会社です。

三菱UFJの「金利の軍師」が攻めの金融なら、東京海上の守護の僧侶は守りの金融です。同じ金融セクターでも、役割はまったく違います。

マロサ×マロナ対談|「優待の3年をどう受け止めるか」

マロサ: 正直なところ、少しがっかりしました。単元未満株であれば3年以上持ってきたのに、9月30日時点で100株に足りないというだけで、初回の対象から外れてしまいます。

マロナ: お気持ちは分かります。ただ条件は「100株以上を保有する株主として」名簿に記載されることなので、そこは動きません。むしろこの事実を先に知っておけたことのほうが価値があります。知らずに2027年3月を待って、何も届かないほうが辛いですから。

マロサ: 学究社の記事でも継続保有条件の話を書きました。まさか1週間後に、大型株で同じことが起きるとは思いませんでした。

マロナ: 優待株で最も多い勘違いが、この継続保有条件です。金額や内容には目が行くのに、条件の脚注は読み飛ばされます。今回は3年、しかも半期ごとに7回連続という細かい定義まで書かれています。

マロサ: 今から7株買って分割を待つ、という話も見かけますね。

マロナ: 100株以上という株数の条件は満たせます。でも優待が届くのは2030年3月です。それを分かったうえで、配当利回り3.19%と将来の優待を狙って買うなら合理的な判断だと思います。知らずに買うのと、知って買うのは違います

マロサ: 決算の数字も分かりにくいと感じました。予想が増益にも減益にも見えます。

マロナ: 会計基準が変わった年ですから。日本基準と比べれば15.3%の減益、IFRSと比べれば56.2%の増益。どちらも嘘ではありません。だからこそ、何と比べた数字なのかを確認する必要があります。

マロサ: この銘柄を売るとしたら、どんな時でしょうか。

マロナ: 配当方針が変わった時ですかね。12年間毎年増配してきた会社が、その姿勢を変えたら意味が違ってきます。株価が下がった時ではなく、約束が変わった時。これはENEOSの記事でもお話しした通りです。

マロサ: 2030年まで、長いですね。

マロナ: でもその間も配当は入り続けます。取得単価5,408円に対して4.53%です。それに増配が続けば、待っている間に取得利回りは上がっていきます。焦らず待てる人が、時間を味方につけられます

「3年という条件は、会社からの『長く一緒にいてください』という言葉でもあります。急がない人にだけ届く優待です」

弱点・リスク|5つの注意点

1. 優待は2030年3月まで届きません

今から買う人にとって、これが最大の注意点です。各基準日の時点で100株以上を保有し、同一株主番号で継続して記録される必要があります。条件が途切れると、それ以前の期間は通算されません。優待目的で買うなら、この期間を許容できるかが判断の分かれ目です。

2. 自然災害で利益が振れます

2025年度は自然災害による正味発生保険金がグループ全体で34.6%減り、それが利益を支えました。逆の年もあります。大型台風や地震が重なれば、支払いが増えて利益は圧迫されます。会社の努力では避けられないリスクです。

3. 政策株式の売却益に支えられている面があります

2026年3月期は減益でしたが、政策株式の売却益を除いた当期純利益は8.5%増でした。裏を返せば、会計上の利益には売却益が含まれているということです。政策株式は有限なので、いずれこの押し上げはなくなります。

4. 利回り3.19%は高配当株として少し物足りません

優待は3年後まで加算できないので、現時点の総合利回りは配当のみの3.19%です。当ブログの基準3.5%を下回っています。今すぐ配当収入を増やしたい人には、少し物取りないかもしれません。

5. 分割は株価を上げる要因ではありません

分割によって1株の価格は15分の1になりますが、会社の価値は1円も増えません。買いやすくなることで需給が改善する可能性はありますが、それは業績とは別の話です。分割発表で株価が上がったからといって、企業価値が上がったわけではないことは押さえておきたいところです。

まとめ|条件を読んでから、買うかを決める

東京海上ホールディングス(8766)は、経常利益率15.20%、会計ROE18.7%、そして12年で約6.9倍という増配実績を持つ、当ブログで扱った中でも屈指の優良企業です。時価総額14兆8,783億円は、上記3社と比べても大きな規模です。

今回の分割で最低投資額は約74万円から約5万円へ。間違いなく買いやすくなります。

それでも、優待だけを目当てに買うのはおすすめできません。3年以上の継続保有が条件で、今から買う人が受け取れるのは2030年3月です。マロサ自身も単元未満株だったため、初回の対象からは外れます。

買い増しラインは7,000円以下。配当245円で利回り3.50%となり、当ブログの基準を満たす水準です。現在は3.19%なので、基準の外側で待っています。

この記事で持ち帰っていただきたいのは、次の一点です。

優待は金額より先に、条件を読む。

7,500円という数字は目に入りやすいものです。でもその横に書かれた「3年以上継続保有」の定義を読まなければ、受け取れる年を3年も読み違えます。守護の僧侶が守るのは、急がない人です。

「何も起きない日々に、そっと備えている会社です。その姿勢は、長期投資そのものによく似ていますね」


免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載した数値は2026年8月28日時点で確認できる公開情報および同社IR資料にもとづいていますが、正確性を保証するものではありません。株主優待制度の詳細は「決定次第、改めてお知らせします」とされており、今後変更される可能性があります。投資には元本割れのリスクがあります。投資判断は必ずご自身の責任で行い、最新の情報は同社のIR資料および証券会社の情報でご確認ください。

なお、本記事に登場する「マロナ」は当ブログ独自のキャラクターであり、実在の企業・団体の公式キャラクターではありません。企業ロゴ・商標は使用していません。

ABOUT ME
マロサ
マロサ
サラリーマン投資家
2011年から株式投資を始めたサラリーマン投資家です。 これまで相場の上げ下げを経験しながら、失敗も含め多くの学びを得てきました。 「人生とは投資の連続である」という考えのもと、 お金の投資だけでなく、時間・経験・挑戦といった “人生の投資” についても考えながら、これから資産形成を始める方に少しでも役立つ情報を発信していきます。
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